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■課題

 データ・機能のオープン化と連携による多圃場営農管理システムの開発

■ コンソーシアム名

     xCLOPコンソーシアム

 研究代表者氏名及び所属

   独)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター  

 研究の趣旨・概要

次世代農林水産業創造技術研究開発計画の「高品質・省力化を同時に達成するシステム」では、農地のフル活用、生産コストの削減に寄与する技術開発・普及が必要とされている。

本研究課題では、今後全農地の8割の管理を担うとされている大規模経営体における利用を念頭においた「多圃場営農管理システム」の開発を目指す。そのため、関連する4つの要素技術開発研究課題で進められる、

  1.人工衛星や低層からの自立飛行システムによるリモートセンシング技術

  2.1kmメッシュ農業気象データを利用した作物生育や病虫害発生の予測技術

  3.広域・近距離無線通信技術を組み合わせたセンサネット技術

  4.国際標準に基づく農作業機械の自動化・知能化技術

などを、GIS(地理情報システム)機能に基づく時空間データとして統合・連携することにより、
圃場単位の栽培管理支援機能を実装したシステムを開発する。

■ 研究項目

①要素技術のデータ仕様・API調査と共通仕様の設計             

②要素技術の連携に必要な稲作作業語彙基盤のプロトタイプ構築

③共通化技術に基づく広域多地点圃場環境データ計測網の開発

④共通化技術に基づく要素技術連携による多圃場営農管理システムの開発

⑤要素技術連携による多圃場営農管理システムの現地実証と効果評価

■ 期待される成果、効果

稲作を対象として、各種センシングデータやその解析データ、栽培管理支援モデルとの連携により生成された水管理・作業計画データなどが、時空間情報に基づき共通化されたデータ書式やAPIを介して相互に交換されながら効果的な栽培管理を支援する多圃場営農管理システムが開発される。

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研究目的

次世代農林水産業創造技術研究開発計画において、農業のスマート化に寄与する「高品質・省力化を同時に達成するシステム」が提案され、農地のフル活用、生産コストの削減に寄与する技術開発・普及が必要とされている。本試験研究計画では、今後全農地の8割の管理を担うとされている大規模経営体における利用を念頭においた「多圃場営農管理システム」の開発を目指す。

このシステム開発においては、既往の関連技術、および各要素技術開発研究計画で進められる、人工衛星やUAV(Unmanned Aerial Vehicle)によるリモートセンシング技術、地球規模での観測データの整備や気象データを利用した各種生育モデルや病虫害発生予測技術(アルゴリズムの実装)、広域・近距離無線通信技術を組み合わせたセンサネット技術、国際的な標準化規格に基づく農業機械・作業機の自動化とその際の機械内情報通信データの利用技術など(以下「要素技術」と総称)と、GIS(地理情報システム)機能に基づき圃場地図上で各種のデータ管理を行う多圃場営農管理システムの連携を実現させる。

現在、既往の研究開発成果や民間情報サービス会社の商品・サービス開発に伴い、GIS機能やクラウド上のマップサービスを利用したデータ視覚化機能をもつ「多圃場営農管理システム」に分類されるソフトやサービスが普及しつつある。しかし、上記した要素技術を含め、これらのソフトやサービスのほとんどはそれぞれの目的に合わせて開発・リリースされており、いわば自己完結したシステムとなっている。このため、各システム間ではデータや機能の互換性がない場合が多く、また共通基礎となるデータもほとんど流通していないことから、各システムの動作に必要なデータは各システムの提供元や利用者がその都度作成する場合がほとんどである。

そこで、本課題では冒頭に記したような農業の各場面で利用可能になりつつある要素技術が相互に「つながる」ことを目指し、対象とするシステム間でそれぞれの適用場面に応じて公開可能なデータ書式や機能(API)を調査し、多圃場営農管理システムが備えるGIS機能で管理できるよう時空間上での共通化を図る。

具体的には、各要素技術で開発・整理・公開されるデータ書式や機能(API)仕様情報に基づき、センシングデータや有用解析データの取得手順、栽培管理支援モデル(気象災害予測や生育・病害発生予測、肥培管理などのアルゴリズムの実装)の利用手順、適切な栽培管理のための水管理計画や栽培管理作業内容を生成するモデルの利用手順などを整理し、それらをGIS機能に基づき時空間情報と組み合わせて圃場区画単位でのデータ管理を基本とする営農管理支援機能を設計・実装する。この実装に当たっては、既往の多圃場営農管理システムである「食・農クラウドAkisai」と「GeoMation Farm」を活用しつつ、時空間情報を基軸として共通利用可能となったセンシングデータとその解析技術や生育モデル、病虫害発生モデルなどの栽培管理支援アルゴリズムを組み合わせ、適切な栽培管理支援情報を作成・出力する営農管理支援機能が拡張実装された多圃場営農管理システムとする。

これにより、既往の多圃場営農管理システムが備える圃場マップを利用した作業履歴や収量・品質データ蓄積管理などの基本的な営農管理支援機能を活かしつつ、さらに本計画で開発された共通化技術を適用することで、冒頭で触れた各種の要素技術から得られるセンシングデータや気象データ、栽培管理支援モデル(アルゴリズム)が連動して適切な栽培管理支援情報を作成するという一連の営農管理支援機能を効率よく追加できることを示す。さらに、ここで開発された要素技術の仕様や利用手順・共通化手法が多くの関連情報サービス会社等にも公開・提供されることで、新たに開発される営農支援要素技術との連携や複数の多圃場営農管理システム間におけるデータや機能の相互運用、データ交換・システム移行の円滑化が期待できることを示す。

構成(平成26年度~平成27年度)

xCLOPコンソーシアムの構成

代表研究機関

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター

構成員

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所

独立行政法人情報通信研究機構ワイヤレスネットワーク研究所

国立大学法人京都大学大学院情報学研究科

中部大学中部高等学術研究所国際GISセンター

国立大学法人九州大学大学院農学研究院

株式会社イーラボ・エクスペリエンス

ベジタリア株式会社

株式会社富士通総研

株式会社日立ソリューションズ

一般社団法人ALFAE